相続欠格と廃除

相続欠格

父親を殺した息子にまで、父の遺産を相続させる必要はないと誰もが考えるところですが、このような行為をした相続人から、相続権を剥奪(はくだつ)する制度が相続欠格です。相続される者や、自分よりも先順位で、あるいは自分と同順位で相続人となるべき者を、故意に殺し、または殺そうとして刑罰を受けた者等、5つの欠格事由に該当すれば、相続権を失います。

相続人の廃除

非行を繰り返す息子がいて、こんな子には何も相続させてやりたくないというような場合、相続人の廃除という制度があります。欠格者とするほどではありませんが、相続させるには望ましくない非行(虐待や重大な侮辱)があったときは、相続される者は、家庭裁判所に申立てて相続権を奪うことができます。相続欠格や相続人の廃除がなされると、その相続人が相続できないのは当然ですが、相続人に子がいる等の場合、代襲相続されます。

相続人の廃除は、よほど極端な例でもない限り、裁判所はなかなか認めてくれないようです。これは、親の子供に対する好き嫌いによって一方的に相続人から外されないようにとの考えからです。