風俗営業許可の基準
風俗営業許可の要件
許可を受けるには、次の要件を満たす必要があります。風俗営業は、欠格要件の他にも営業場所の制限があり、許可されない場所、許可されない地域、許可される地域であっても一定の距離内に保全対象施設(大学以外の学校、幼保連携型認定こども園、保育所、病院、有床診療所)があると営業を行うことはできません。また、営業所の設備によっても営業できない場合があります。まずは、これらを十分に事前調査する必要があります。
風俗営業許可されない場所
風営適正化法施行条例で定める地域
| 条例で定める地域 |
条例で定める地域に該当する地域 |
| 第一種地域 |
都市計画法で定める |
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
田園住居地域 |
| 第二種地域 |
準住居地域 |
| 第三種地域 |
その他の地域(都市計画法上の近隣商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域及び市街化調整区域並びに都市計画法適用除外地域となりますが、市街化調整区域では、新たな建物が建築できない場合があります。) |
| 第四種地域 |
商業地域 |
| 第五種地域 |
名古屋市の区域のうち |
| 千種区 |
今池 |
一丁目8~13・29・30番
三丁目4番
四丁目7・9~11番
五丁目1~3・8~13・18~27番 |
|
内山 |
三丁目32・33番 |
| 中区 |
栄 |
三丁目8~13番
四丁目2~5・7~18・20・21番 |
|
新栄 |
一丁目1・11・12番 |
|
錦 |
三丁目12~14・17~19番 |
|
許可されない地域…第一種地域
風俗営業許可されない区域
風俗営業許可される地域であっても、営業所から次表の距離内に上欄の施設があると風俗営業許可されません。
|
商業地域以外 |
商業地域 |
大学以外の学校 幼保連携型 認定こども園 |
保育所 病院 有床診療所 |
大学以外の学校 幼保連携型 認定こども園 |
保育所 病院 有床診療所 |
第五種地域 |
| 1号営業 |
100m |
50m |
70m |
30m |
距離規制なし |
| 2号営業 |
| 3号営業 |
| 4号営業 |
| 5号営業 |
70m |
30m |
50m |
| 4号又は5号営業で3か月以内の期間営業 |
30m |
- 学校とは、学校教育法第1条で定められている学校です。
第1条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
- 幼保連携型認定こども園とは、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律で定められる幼保連携型認定こども園です。
- 保育所とは、児童福祉法第7条で定められている保育所です。
第7条 この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子寮、保育所、児童厚生施設、養護施設、精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設、盲ろうあ児施設、虚弱児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設及び教護院とする。
- 病院とは、医療法第1条の5第1項で定められている病院です。
第1条の5 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。
- 有床診療所とは、医療法第1条の5第2項で定められている診療所のうち患者を入院させるための施設を有する診療所です。
2 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
風俗営業許可されない設備
- 客室内が外部から容易に見通せる場合
- 客室内に見通しを妨げる設備がある場合
例:仕切り、つい立、カーテン、背の高い椅子、照明器具、観葉植物等の高さがおおむね1mを超える場合
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害する写真、広告物、装飾物等がある場合
- 客室の出入口(ドア)に内鍵がついている場合(営業所外に直接通ずる出入口を除く)
- スライダックス(照度調節スイッチ)がついている場合
(愛知県の場合、回転式は不可。上下式は固定することで可。)
- 営業所のすべての出入口に年少者立入禁止表示板がない場合
例:「18歳未満の方の入店はお断りします。」
ゲームセンターは、午後6時から16歳未満、午後10時から18歳未満の少年は立ち入り禁止。
- 客室の照度が5(10)ルクス以上ない場合
- メニュー(料金)表がない場合
【料金の表示方法】
- 壁、ドア、つい立て等に料金表を見やすく掲示する。
- 客席、ゲーム機の見やすいところに料金表を置く。
- 飲食物の注文前に料金表を示す。
【料金の表示内容】
- 入場料金、席料、遊興料金、飲食料金、遊技料金、その他客が支払うべき料金
- サービス料金、その他上記以外の客が支払うべき料金
上記以外に、食品営業許可(飲食店の場合)を要するときは、設備について注意しなければなりません。
営業時間の規制
業種及び営業場所により、次のとおり営業時間の制限を受けます。
| 4号営業 |
パチンコ店等
ぱちんこ店・スロット専門店 |
午前9時から午後11時 |
| 上記以外の風俗営業 |
午前9時から翌午前零時
(12月16日から1月10日の間は、午前1時) |
第五種地域
+
| 名古屋市の区域のうち |
| 千種区 |
今池 |
一丁目6・7・14~17・28番 |
|
内山 |
三丁目31番 |
| 中区 |
栄 |
三丁目1~4・14・19~21番
四丁目6番
五丁目1・3~7番 |
|
新栄 |
一丁目2~6・9・10・13・14・25~27番 |
|
新栄町 |
三丁目 |
|
錦 |
三丁目1~4・6~11・15・16・20~24番 |
|
東桜 |
二丁目18・19・21~23番 |
| 東区 |
東桜 |
二丁目18・20~23番 |
|
東新町 |
|
|
左の区域に営業所がある
接待飲食等営業
(1号営業~3号営業)
午前9時から翌午前1時 |
騒音と振動の規制
下記に示す数値以上の騒音や振動を営業所の周辺に生じさせないよう営業しなくてはなりません。
騒音規制の数値
|
昼間 (日出時から日没時) |
夜間 (日没時から翌日午前零時) |
深夜 (午前零時から日出時) |
第一種地域
第二種地域 |
55デシベル |
50デシベル
午後10時以降
40デシベル |
40デシベル |
| 第三種地域 |
60デシベル |
55デシベル |
50デシベル |
第四種地域
第五種地域 |
65デシベル |
60デシベル |
50デシベル |
【音の大きさの目安】
- 60デシベル ≫ 普通の会話、静かな乗用車内
- 50デシベル ≫ 静かな事務所、室外クーラーの始動時
- 40デシベル ≫ 図書館内、静かな住宅地の昼
振動規制の数値
振動の規制は、地域、時間帯に係わりなく、55デシベルです。55デシベルは、人体に振動を感じ始める程度の振動です。したがって、振動を感じる人もいれば感じない人もいます。
遊技料金等の規制
4号営業を営業される方は、次の遊技料金等を守らなければなりません。
マージャン店の遊技料金
|
客1人当たりの時間を基礎として遊技料金を計算する場合 |
まあじゃん台1台につき時間を基礎として遊技料金を計算する場合 |
| 全自動式 |
1人当たり 630円/時 以下 |
1台当たり 2,520円/時 以下 |
| その他 |
1人当たり 530円/時 以下 |
1台当たり 2,120円/時 以下 |
パチンコ店等の遊技料金等
| 遊技料金 |
ぱちんこ遊技機 |
玉 4円/個 以下 |
| スロットマシン |
メダル 20円/枚 以下 |
アレンジボール遊技機
じゃん球遊技機 |
玉 4円/個 以下
メダル 20円/枚 以下 |
| 賞品の取りそろえ義務 |
一般日常生活の用に供すると考えられる物品のうちからできる限り多くの種類のものを取りそろえておくこと。 |
| 賞品の提供方法 |
客の獲得遊技球等×4円(or20円)の金額と等価の賞品を提供。 |
| 賞品の価格の最高限度 |
1万円を超えないこと。 |
その他遊技場の遊技料金
| 遊技料金 |
スマートボール |
玉 4円/個 以下 メダル 70円/枚 以下 |
| 射的・輪投げ等 |
1回/70円 以下 |
管理者がいること
風俗営業を営もうとするときは、営業所に必ず管理者を選任しなければなりません。一般的には、業務について統括的な責任を負う立場の店長や支配人が該当します。営業者(申請者)自らが直接統括管理する場合は、管理者の兼任が可能です。未成年者や風俗営業の許可を受けることが出来ない者は管理者になれません。
管理者の業務は、営業者(申請者)、従業員に対し法令を守り必要な助言・指導を行うと規定され、基本的な法律知識の習得、業務実態の把握、従業員の管理等、業務について統括的な管理をするものです。
管理者の業務
- 従業者の指導計画の作成、実地指導、記録作成
- 営業所の構造及び設備の点検の実施・点検記録の作成
- 遊技機の点検、点検記録の作成(パチンコ店等のみ)
- 未成年者発見時の立ち退きの勧告及びその他の必要な措置を講じること
- 従業者名簿の記載及び管理
- 在留資格等の確認に係る記録の管理(接待飲食等営業のみ)
- 業務に関する苦情の処理
- 業務の一部委託に係る契約内容、業務の履行状況等の点検の実施及び記録の記載について管理
管理者は業務を適正に行うため、講習が義務付けられています。営業者(申請者)は講習通知を受けた場合、管理者に講習を受けさせなければなりません。
管理者講習
- 定期講習の第1回目は、許可を受けた2~3ヶ月後になります。(3年ごとの講習)
ただし、コンピューターの都合上、5~7ヶ月後になる場合もあります。
- 講習は、許可の種別毎に県下3会場(名古屋・岡崎・豊橋)で平日に実施され、時間は午後1時から4時間です。
- 講習の案内ハガキは、風俗環境浄化協会から、講習指定日の1ヶ月前に営業者(申請者)の自宅へ、法人許可の場合は本店事務所に郵送されます。
- 講習の受付は、講習会場にて行われます。
携行品:講習通知書(ハガキ)・手数料(県証紙)・管理者証(写真付)・筆記具
- 管理者が指定日・指定場所で受講後、講習済シールの交付が受けられます。
- 管理者が欠けたときは、その日から14日以内に新しい管理者を選任し、変更の日から10日以内に所轄署に変更届書を提出します。新管理者のための講習が変更後2~3ヶ月後に3. と同様の方法でなされます。
管理者講習は、法律に定められた、風俗営業の健全化に資するための講習で必ず受講しなければなりません。正当な理由が無く管理者講習を受講しないと行政処分の対象となります。
県証紙(2,600円分)は、当日講習会場では販売しておりません。事前に警察署・証紙売りさばき所で用意しておく必要があります。
欠格要件に該当しないこと
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ないもの
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は無許可風俗営業、刑法等一定の法律に違反して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 精神機能の障害により風俗営業の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
- 法定代理人が前記1から6までに掲げる事項に該当するとき
- 法人の役員が前記1から6までに掲げる事項に該当するとき
本基準は、愛知県のものであり、岐阜県の場合は異なる部分があります。詳しくは、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(保安係)にご確認ください。