よく、「行政書士って何する人なんですか?」と尋ねられることがありますが、一般の方は司法書士(登記、訴訟事務などを行う専門家)、そして他士業との区別がよく分からないのが普通です。その理由の一つは、行政書士の仕事は間口が広いので、特徴がつかみにくいからです。しかし、行政書士の仕事は、行政書士法という法律によって、次のように定められています(ただし他の法律に特別の定めのあるものを除く)。
行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町村役場、警察署、保健所など)に提出する書類の作成・同内容の相談・提出手続き申請代理・各種契約書の作成代理をとおして、お客様の目的を達成するためにお手伝いをする専門家です。
建設業、宅地建物取引業、産業廃棄物処理業、貨物運送業、旅客運送事業、倉庫業、風俗営業、ホテル・旅館業、食品営業、酒類販売業、旅行業、古物営業、探偵業、貸金業、警備業、外国人在留・帰化などの許可・認可の申請を行います。
株式会社、NPO法人など各種会社・法人の設立関係書類を作成します。また、設立後の関係官庁への手続きも行います。
権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。
遺言書の起案、遺産分割協議書、各種契約書(贈与・売買・交換・消費貸借・使用貸借・賃貸借・雇傭・請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解など)、 損害賠償請求書、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書、行政不服申立書などの作成を行います。
社会生活にかかわる交渉を有する事項を証明するに足りる文書をいいます。
実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図など)、定款、各種議事録、会計帳簿、申述書などの作成を行います。
最も重要な業務がこの相談業務です。行政書士は総合法務コンサルタントと称されるほど、幅広い知識を持ち、他の士業(司法書士・税理士・弁護士・土地家屋調査士・社会保険労務士など)ともつながりがありますので、さまざまな相談に応じています。
行政書士の作成できる書類はこれらに限定されるわけではありません。行政書士の扱う書類の数は数千種類とも言われているほど、その活躍のフィールドは広いのです。ただし、本人が作成できるものもありますので、実際に行政書士が業としているのは、そのうち数百件前後です。
仕事をお受けする場合、どうしてもプライバシーの部分に立ち入ることになりますが、行政書士は国家資格者であり、 行政書士法上、お客様の秘密を厳守する義務が課せられていますので、安心してご相談ください。もちろん、行政書士でなくなった後であっても、業務遂行上知り得た秘密については、正当な理由がない限り秘密を守らなければなりません。
(秘密を守る義務)
行政書士法 第12条 行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も、また同様とする。(正当な理由というのは、本人の許諾や法令の規定に基づく義務があること等をいいます。)